足の役割は歩く事(=重力下で体を前方に移動させる)で間違いないのですが、もう少し細かくその役割を理解しましょう。
足のアーチ構造は着地時に、全身の各関節にかかる衝撃を吸収無害化させてくれます
※関節=主に中足(足の甲・足裏)、足首、ひざ、股関節、腰、背中、首など
つまり、足のアーチ構造がしっかり機能していない足は、登山を繰り返すたびに体にダメージを与え続けてしまうことになります。
「登山をすると足が痛くなる」「極端に足の裏が疲れる」「いつも足がつってしまう」といった症状は、足のアーチ構造が機能していない、つまり足裏バランスが悪いことが原因だったのです。
写真のように、「指先」「指の付け根」「かかと」の3点が接地していることで、初めて体を安定的に支えるためのアーチ構造が出来上がります。
ではこのアーチ構造が保てない「足裏のバランスが悪い状態」とはどういった状態なのか?足の痛みや自覚症状がなかったとしても、チェックできるポイントがあります。
それが、
外反母趾(がいはんぼし)
浮き指(うきゆび)
扁平足(へんぺいそく)です。
外反母趾の例 ※写真提供:足裏バランス研究所
浮き指の例 ※写真提供:足裏バランス研究所
扁平足の例 ※写真提供:足裏バランス研究所
こうした足の状態では、足のアーチ構造が正しく機能できないので、常に体が不安定な状態、ということになるのです。
また、地面に着く足裏の感覚(センサー)が正しく働かず、フラフラした歩き方を繰り返した結果、足首・ひざ・腰・背中肩・首などに負担を生じさせてしまうのです。
足裏の感覚(センサー)を正しく働かせて、重力下での歩行の際に体軸バランス(重心位置)をコントロールして体を安定させることが、より良い登山のためには欠かせません。
そのためには、足裏バランスを良い状態に保っておくことが何より大切だとお分かりいただけると思います。
良い足裏バランスでの登山はフラツキや転倒予防につながり、結果的に安全登山につながります。また、良い足裏バランスで登山を行うことは、筋力増強はもちろん、足裏やふくらはぎの筋肉収縮によるポンプ作用により、全身の血液循環につながり、基礎代謝もアップするのです。
これらが「登山が健康に良い」とされる最大の要素なのです。
足と健康に関する情報はいかがでしたか?
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